自閉症スペクトラム障害

自閉症スペクトラム障害

現在の国際的診断基準の診断カテゴリーである広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群と考えられます。
典型的には発達早期に現れる以下の2点が特徴的です。

  • コミュニケーションの障害:人間関係を築けない・維持できない。他人の気持ちを察することができない・感情の共有ができない。表情や身振り手振りなどの非言語的なコミュニケーションが使えない。
  • 興味や行動の偏り(こだわり):同じ行動の繰り返し。習慣へのこだわり。過度に集中した興味。音や光への過敏さ。

自閉症スペクトラム障害の典型例は、1歳を過ぎた頃から、障害の兆候が現れ始めます。1歳代で、「人の目を見ることが少ない」「指さしをしない」などの様子が見られます。対人関係に関連するこうした行動は、通常の子どもでは急伸するものですが、自閉症スペクトラム障害の子どもでは明確な変化が現れません。保育所や幼稚園に入っても一人遊びに興じて集団行動が苦手など、人との関わり方の独特さで気づかれることがあります。言葉を話し始めた時期に遅れは無くても、話したいことしか口にせず、会話が成立しにくい傾向があります。また、電車やアニメ・キャラクターなど、自分の好きなことや興味のある対象には、毎日何時間でも熱中したりします。初めてのことや、決まっていたことの変更は苦手で、そうしたことに対応するのに時間がかかることがあります。

思春期や青年期になると、自分と他者との違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりし、不安・うつ症状を合併するケースもあります。就職して初めて、仕事を臨機応変にこなせないことや職場での対人関係などに悩み、自ら障害ではないかと疑い、医療機関を訪れる人もいます。中には成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力の不均衡をうまく活用して活躍する人もたくさんおられます。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

発達年齢に見合わない多動―衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。学童期の子どもには3~7%程度存在し、男性は女性に比べて数倍多いことが報告されています。
症状の程度によって、「多動―衝動性優勢型」「不注意優勢型」「混合型」に分類されます。
小学生を例にとると、多動―衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊んでいられない、じっとしていられない、しゃべり過ぎる、順番を待てない、他人の会話やゲームに割り込む、などがあります。

不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどでの集中が続かない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやり遂げない、課題や作業の段取りを組むのがへた、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などが挙げられます。
多動症状は、一般的には成長につれて軽くなるケースが多いのですが、不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くといわれます。
実際社会人になってから、仕事の段取りがうまくつけられない、時間を守れないなどの問題が明らかになり、医療機関を訪れ診断がつく方もいます。治療としては、ご自身の特性を理解し生活の工夫を行うことや、薬物療法が挙げられます。