統合失調症

認知行動療法

誰もいないのに自分を非難する声が聞こえる、何者かに見られている、監視されているような気がする…このような幻覚(とくに幻聴)や妄想などの症状が統合失調症に特徴的です。また、考えがまとまらなくなり、傍からみると理解できないような言動をとってしまうこともあります。

けっして珍しい病気ではなく、人口の0.7%程度にみられる疾患で、患者さんの多くは15~40歳の間に発症します。

原因ははっきり突き止められていませんが、薬物療法が効果を示すため、その薬理作用から脳内のドーパミンをはじめとした神経伝達の異常があると推測されています。

前述のような幻覚、妄想や考えのまとまらなさ以外にも、感情が乏しくなったり、意欲が減退したり、考えたり記憶したりといった認知機能が障害されることもあります。

脳の慢性疾患とも呼ぶべきもので、治療されないまま経過すると病状が進行し、機能障害が強くなるため早期の治療開始と、長期的な維持が重要となります。

統合失調症の治療の柱は、薬物療法と精神科リハビリテーションです。

薬物療法の中心になるのが抗精神病薬と呼ばれるものです。脳内の神経伝達の調整を行うことで効果を発揮します。高血圧や糖尿病、自己免疫疾患といった慢性疾患同様に、統合失調症も長期的に治療を継続して良い状態(寛解状態)を維持する必要があり、そのためには服薬の継続が必要となります。飲み薬だけでなく、皮膚に貼り付けるテープ剤や、数週から数か月に一度注射すれば効果が持続する薬剤もあり、長期的な治療戦略が立てられます。副作用を強く感じる方もいますが、抗精神病薬は次々と新しい薬剤が開発されていますので、自分に合う薬をあきらめずに探すことも重要です。

精神科リハビリテーションには、病気の知識やストレス対処法を学ぶ心理教育、人間関係をうまく進める方法などを練習するSST(社会生活技能訓練)、記憶力や集中力などをつけるための認知機能リハビリテーションなど、様々な方法が知られています。このような特別な治療プログラムを受けなくとも、社会支援を受けながら仕事や余暇活動を積極的に行っていくことが、機能の維持や向上につながることはいうまでもありません。